New Year's Eve


「なあ、一護。現世では皆、どのように年を越すのだ?」

「あ?何だよいきなり」
「ちょっと気になってな。瀞霊廷では毎年、無礼講の宴を開いているのだが、
こちらではそのようなことは出来ないだろう?」
「あっちと比べんなよ。・・・まあ、人それぞれ、だな」
「人それぞれ・・・」
「寺とかに行って除夜の鐘を聞く奴もいるし、うちみたいに家族で年越しそばを食べるってのも多いな。
後は、仲のいい奴とかで集まってパーティーみたいなのをしてる奴らもいるんじゃねぇか」
「ふむ・・・現世には様々な形の過ごし方があるのだな」
「ま、あっちと違って一つの組織に属してるわけじゃねぇからな。みんなバラバラで当たり前なんだよ」

「そうなのか・・・。そういえば、先程遊子殿が夜食に、と蕎麦をくれたが・・・あれが年越しそばとやらか?」
「ああ。っておまえ、そんなことも知らずに食べてたのかよ」
「うむ。あちらには、そのような習慣がないのでな」
「そうかよ。・・そういや、あっちじゃ無礼講の宴を開いてるとか言ってたけど、一体どんなことやってんだ?」
「そうだな・・・基本的に無礼講という以外は普通の宴と変わらぬが、有志で余興を行っておるな」
「余興だあ?誰がどんなことやってんだよ、それ」

「確か去年は浮竹隊長と享楽隊長がご一緒に漫才を行われていたな」
「漫才?浮竹さんと享楽さんが?」
「ああ。なかなか素晴らしかったぞ。あのお二人は霊術院に通っていた頃からの仲と聞くからな、
とても息が合っていてなかなかの見物であった」
「あの二人が漫才ねぇ・・・まあ、想像出来なくもないか」

「他にも吉良副隊長や恋次なども何かやっておったな」
「恋次もかよ。何か、死神の宴って楽しそうだよな」
「ああ。貴様も一度参加してみるか?浮竹隊長に掛け合ってみれば、許可はすぐ下りると思うが・・・」
「いや、やめとく」
「そうか?残念だな」

「あ」
「一護?どうした」
「もう11時59分かよ。今年が終わるまであと1分もないじゃねぇか」
「何!?貴様、何故もっと早く言わなかった!」
「テメーが質問してきたからだろ。俺はそれに答えてただけだ」
「減らず口ばかりたたきおって・・・まあ、いい。一護、年越しの瞬間には何と言うのだ?」
「あ?」
「確か、はぴ・・にゅい・・・とか言うのだろう」
「ああ、ハッピーニューイヤーのことか?」
「そう、それだ!」
「こんなのも知らないのかよ」
「瀞霊廷ではそのような言葉は使わないのだ」
「はいはい。ほら、あと10秒だぜ。10、9、8・・・3、2、1」




『ハッピーニューイヤー!』






09.12.29 (09.12.27 Diary)

二人で迎える年越しの瞬間。

昨年日記の方で書いた、死神たちの年越し第一弾。
イチルキは好きなコンビですね。恋愛色があってもいいんだけど、
基本的には二人の間にある信頼感が大好きです。
また書きたいなー。