朝焼けに染まる空 



「あれ、日番谷くん?」

驚いたような声が、後ろから聞こえた。
振り返った先にいたのは、予想した通りの人物で。
驚いた表情のまま近寄ってきた雛森に、日番谷は一言呟いた。

「・・何してんだよ」
「日番谷くんこそ」

いつのまにか、驚いた顔から笑顔に変わってそう言った雛森に、
日番谷もちょっとだけ笑って返した。

「・・あのね、朝焼けをね、見に来たの」
「朝焼け?」
「うん。・・・昔も、こんなことあったよね」

笑いながら、懐かしそうに雛森がそう言った。
確かにまだ流魂街で共に暮らしていた頃は、そんなこともよくあった。
大抵、雛森の方が早起きに耐え切れずに、傍でうとうとしていたが。

「おまえ、すぐ寝てたよな」
「・・だって、日が出てくるのって遅いんだもん」
「言いだしっぺが寝てるから、このまま放っておくか、どうしようか迷ったぜ」
「もう、日番谷くん!」

ちょっとした恥ずかしさと怒りからか、雛森の頬は少し赤くなっていた。

「事実だろうが」
「う・・そうだけど」

そこまで言って、雛森は口を噤んだ。返す言葉がないからだろう。

「あ、見て見て!」

突然、雛森が歓声をあげた。
その視線をたどると、まさに今が一番綺麗であろう、朝焼けが見えた。

「綺麗だね」
「・・そうだな」

嬉しそうなその笑顔が傍で見ていられるだけで、今は。



06.07.15

二人で見る綺麗な空を

幼なじみなかんじの二人を書きたくて書いた代物。
流魂街にいた頃は幸せだったんだろうなと。